内装費用を抑える方法は、物件を契約する前に、アドバイスしてれる業者を探す事です。また、内装の工事費を下げるポイントとしては、設備工事(電気・水道・ガス・空調・換気・防災)に強い会社を探すことです。仕上げ材(クロス・塗装・木板・金属板等)の費用は、照明を活用する事もで抑える事ができます。

バーを開業する際、大きなウェイトを締めるのがお店の内装です。

誰しも最初は、自分の思い描いた理想のお店を造りたいと思っています。

しかし、実際は、想い通りの物件が見つからなかったり、内装工事の予算が足りなかったりと、現実的な問題が出てきます。

ここでは、前もって知っておく事で、理想のお店造りに役立つ、物件選びや工事のポイントを、実際に内装工事をする業者側の目線でお伝えできればと思います。

物件を選ぶ際は、内見時にアドバイスしてれる業者を探す

まずは、バーを始める為の物件選びからです。

物件探しは、あらかじめ自分の理想のレイアウトを考え、それに見合った間取りの良い物件を探していく事になります。

内装費用を抑える為の一番良い物件は、使えそうな居抜き物件です。

居抜き物件の既存レイアウトが理想通りであれば、後は表面の仕上げを変えるだけで理想のお店を作ることができます。

これは、いうまでもなく大きな内装工事費の削減となります。

しかし、居抜き物件のメリットを活かすには、以前その物件に入っていたお店がバーであるという事に限られます。

以前の業態がバー以外の場合は、ほとんどの場合、既存の内装を解体する工事が発生してしまい、スケルトン物件に比べても、逆に工事費用が高くなってしまう事があり、注意が必要です。

他には、既存設備が使用できることも費用削減になります。

例えば、エアコンが残っているのは大きなポイントです。

業務用のエアコンは新規で設置すると、50万円近くの費用が掛かります。

既存のエアコンが使えれば、この部分の工事費用をカット出来るので、大きなメリットと言えます。

しかし、ここでも注意点があります。

既存のエアコン位置が希望のレイアウトに合わない場合です。

エアコンを移設する場合は、配管をやり替える事になるので、新設費の半分近い費用が掛かかってしまいます。

それでも新設よりは安く済みますが、レイアウトによっては、思い通りの空調効果が得られない場合もあり、コストパフォーマンスを考えると、新規で設置したほうが良かったという事にもなりかねない場合もあります。

エアコンが残っていたとしても、新しいお店でどのように活かせるかは十分な検討が必要になります。

この様に、内装費を安くするための物件選びは、以前の業態がバーの居抜き物件であったり、エアコンなどの設備が残っている物件が良いと言えますが、実は、専門的な知識が無ければ判断できない部分という事になります。

その為、物件を選ぶ際に重要なことは、物件を契約する前の段階で、物件の状態を見てアドバイスをしてくれる業者を探すことと言えます。

契約前に物件を見てくれる業者は、少ないかもしれませんが、これが、内装費を抑えるための物件選びの一番の方法なのです。

内装工事費を下げるポイントは、設備工事に強い会社を探す事

店舗工事の設備工事とは、「電気・水道・ガス・空調・換気・防災」工事のことを指します。

バーの内装工事を行う際、15坪程度までの大きさの物件であれば、天井、壁、床などの仕上げ工事は工法が限られ、デザイン会社と施工会社の基本的な工事単価の違いはあっても、どの会社もそこまで金額が変わる部分ではありません。

安くしようとすれば、安い仕上げ材を提案してくるでしょうし、高級感が欲しいとなれば、それなりの高価な仕上げ材を提案してくれます。

その為、仕上げ工事の費用を安くする。=デザインのグレードを下げる。という事になってしまいます。

これは、当たり前のこととも言えますが、ここでは、デザインのグレードは下げずに、内装工事費を抑える方法をお伝えします。

その方法は、設備工事費をいかに抑えるかです。

店舗工事では、建物自体が、もともとその業態に併せた設計で建てられていないので、設備工事はとても難しい工事となります。

厨房機器に必要なコンセントや給排水管やガス管を配置したり、エアコンや換気扇の設置、消防設備の設置などは、どの会社が工事をしても同じで、必ず決められた場所に設置しなければいけないものです。

このような設備の位置や大きさを決める事を、設備設計と呼びますが、設備設計は専門の会社もありますが、規模の小さい店舗工事の場合は、ほとんどが内装の設計会社が兼ねる事となります。

内装が仕上がった段階では、コンセントやエアコンや換気扇は、どこの会社が設置しても同じものに見えます。

しかし、実は、目に見えない床下の配管ルートや、エアコンなどの機器の選定には、色々な方法や種類があり、その会社の経験値によって大きく変わってくる部分なのです。

そして、その現場に併せた知恵と工夫で、金額を大きく下げる事ができる部分でもあるのです。

この様に設備工事は、会社によっての得意不得意が大きく出る工種と言えます。

また、トータル的な施工の知識が無ければ、過酷な現場状況を打開して、最善策を導き出すことが出来ない部分でもあり、設備工事の経験値がなければ、できない芸当でもあります。

つまり、デザインのグレードを落とさずに内装工事費を下げる方法は、設備工事に強い内装会社を探すこととなります。

そして、設備工事に強い内装会社を探す方法は、飲食店の工事経験が多くある会社を探す事です。

飲食店の厨房は、あらゆる設備工事が詰め込まれています。

毎回その現場によって、色々な問題が出ます。

そのため、飲食店の工事件数が多いほど、色々な問題に直面し解決してきた経験値の多い、設備工事に強い会社と言えます。

照明を活用し仕上げ材費を抑える

小さいお店で設備工事のボリューム自体が少ない為、設備工事での費用削減がそこまで望めないケースも当然出てきます。

そうなると、内装の仕上げ部分(クロス貼り・塗装・木板張り・金属板張り等)で、費用を下げる事にならざるを得ませんが、その場合のオススメは、照明で雰囲気をつくり、仕上げ部分の費用を下げる方法です。

特にバーは照明を落して営業する事が多いので、間接照明やスポット照明を使ってポイント的に見せたい場所だけを見せるという事が出来ます。

照明が当たらない部分はシンプルに仕上げることで予算の削減に繋がります。

そして、壁面に飾り棚や絵などを設置し、スポット照明で照らすことで一気に雰囲気を出すことが出来ます。

バックバーのボトル棚の背面壁や、カウンターの立ち上がり部分の足元なども、間接照明で照らすことでお店の雰囲気を高めてくれます。

また、カウンターの上にぺンダント照明や、壁面のブラケット照明は、機器自体のデザイン性の高い物を選ぶ事で、アイキャッチとなり、シンプルな内装の仕上げの中でアクセントとなってくれます。

照明器具には非常に多くの種類があり、選定が難しい製品でもあります。

あまりに安価な物を選んでしまうと、見た目が安っぽく、雰囲気を壊してしまいます。

価格の目安としては、1万円以下の製品は選ばないほうが良いでしょう。

このように、バーを開業するにあたって、いくつかのポイントを抑える事で、内装工事の費用は大きく変わってきます。

当店は飲食店の工事経験も多数あります。その経験値を活かし、グレードを落とさずに工事費用を抑える為、最大限の努力をさせて頂きます。