コンクリート打ちっぱなしの内装は、コンクリートが持つ素材の雰囲気やかっこ良さが特徴的で、非日常感を演出してくれます。また、建物の外壁をそのまま使う事で、内装費用の削減にもなります。もともと内壁や天井が造られている物件であっても、開放感や広さを得るために既存の内装を壊してコンクリート面を出す場合もありますが、断熱性能や防音性能が落ちたり、配線や配管がむき出しになるといったデメリットもあります。

近年、コンクリート打ちっぱなしは店舗の内装では多く見られます。

では何故、コンクリート打ちっぱなしの内装が多いのか、メリット・デメリットと共に詳しくご紹介します。

コンクリート打ちっぱなしの内装を選ぶ理由

コンクリート打ちっぱなしの内装を選ぶ理由としては、まず、「見た目がかっこいい!」という事が挙げられます。

コンクリートが持つ無機質な質感や、その名の通りの荒々しい表情は、何も手を加えなくても、それだけで独特の雰囲気を出してくれます。

一般住宅のクロス仕上げのように、真っ直ぐな壁に、隙間無くぴったりと張られた綺麗な仕上げとは相反するコンクリートの表情が、非日常感を演出してくれるのです。

そして、コンクリート打ちっぱなしが選ばれるもう一つの理由は、内装工事で掛かる仕上げの費用をカットできるという事です。

スケルトン物件を借りた場合、コンクリート打ちっぱなしの仕上げは、もともとの建物の外壁です。

それをそのまま使うことが出来れば、内装工事の費用を大きく削減する事ができます。

「見た目もかっこよく、内装費用も削減できる。」これは、お店を始めるオーナーにとっては、かなり大きなメリットと言えます。

既存の天井・壁を壊すメリット

スケルトン物件ではなく、もともと天井や壁が仕上がっていても、解体してコンクリート打ちっぱなしを見せる場合も多々あります。

理由は、見た目の良さ以外に、物件を広く使えるからです。

内壁は、コンクリート打ちっぱなし面から最低でも5㎝程度の壁厚になります。

場合によっては10㎝近く壁厚がある物件もあり、実用的にも、感覚的にも空間が一回り小さくなってしまいます。

天井は、50㎝から100㎝程下って造られていることもあり、既存の天井を無くすことで開放感を得ることが出来ます。

コンクリート打ちっぱなしのデメリット

では、わざわざ内壁や天井がある理由は何でしょうか?

特に、一昔前の建築では内壁や天井を造ることは一般的でした。

理由は、見た目的にも仕上げとして使われる概念が無かったという事も言えますが、機能的には、断熱をする為です。

コンクリートは熱伝導率が良く、保温性が高いという性質を持っています。

つまり、内壁や天井が無いコンクリート打ちっぱなしの物件は、夏は暑く冬は寒いお店という事になり、暑さ寒さを補うエアコンなどの光熱費が大幅にアップすることになります。

その他には、音や配管などの見た目の問題があります。

通常、ビルの各階の天井内には、上階の排水管や給水管があり、それを隠すために天井があります。

天井を取る事で、排水管が丸見えになり、菅内を通る上階の水の音が聞こえる事があります。

見た目のデメリットとしては、丸見えの配管や電気の線が露出になることです。

本来天井や、壁の中に隠すものなので、やはり、露出の配線や配管は見た目が悪くなります。

電気の線は鉄管を使ったり、エアコンの配管などはカバーをする事ができますが、その分費用が掛かってしまいます。

かっこ良さと実用性のどちらを取るか

このように、コンクリート打ちっぱなしの物件は、素材からくる全体の見た目のかっこよさが特徴ですが、機能面や、配管などの細かい問題も出てきます。

それらを知ったうえで、コンクリート打ちっぱなしの内装が自分のお店に合うかどうかを検討してみると良いでしょう。